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2015-07-17 00:01
制度疲労とは、一言で言えば制度が時代に合わなくなったと言う事になりましょう。制度が運用されているうちに社会状況が変化し、制度の目的と実情がずれてしまい、うまく機能しなくなった状況を指します。
この言葉は、官僚をはじめ、様々なところの責任者が自分達の失敗を誤魔化す為の言い訳にも使われています。「制度疲労により・・・」と言ういい訳にはうんざりです。「制度が疲労したとしたら、判った時点で改めるべきだった筈です。私は、制度疲労を起こしたと言われている制度の多くは、社会状況の変化によって制度が時代に合わなくなったと言うよりも、制度が制定された当初より、矛盾に満ちた、不公正な制度だったものであると考えます。その制度の施行当初よりどんどんストレスが蓄積して、状況が悪化していったものが大部分でしょう。
卑近な例では、かつての日本の社会保険庁の年金システムがそうです。最初は確かに上手く回っているように見えたかも知れませんが、それは上手く機能していたのではなく、問題を先送りしていただけなのです。経済はずっと成長し、年金収入も年々増えていくと言う最初の想定から、破局の運命は決まっていたのです。現代社会のシステムに典型的な、未来からの収奪の一例でしょう。制度疲労を起こしたのではなく、最初から欠陥システムだったのです。システムの欠陥に気が付いてもそのシステムにしがみ続けた事が、年金問題を大きく膨らましたのです。・・それによって社会保険庁は廃止になりました。社会保険庁の見直しによってできたと言われる日本年金機構も、最初からシステム不全なのだと思いますが、今回の記事の単なる一例で、主題にはあまり関係ないのでこれ以上言及致しません。

最近参考になった『衰退する現代社会の危機』(p163)には、
「核なき世界や温暖化対策、金融規制をきちんとすれば世界は救えても現行のカネ本位の資本システムは崩壊してしまう。これが彼ら(覇権国や巨大資本)にとって困るのだ。だから現行世界システムは制度疲労を起こそうとなんだろうと絶対に死守するしかない。
現行の世界システムは既に制度疲労を起こし、現実の人類の要請に答えられないでいることは多い。制度疲労が昂じて限界に達するとカタストロフが襲ってくる。それを避ける為には一日も早く新しいパラダイムと新しいシステムへの転換で世界の危機を救うしか道はないであろう。」
とあります。大筋で賛同致します。最後の対策に関しては大賛成です。・・・いつもの私の主張そのものです。しかし、一ヶ所、「現行の世界システムは既に制度疲労を起こし、」と言うところが引っかかりました。確かに当初は上手く機能しているように見えた部分は沢山あるでしょう。「その当時の世界の状況には適していたシステムだった」と大抵の経済学者は分析しているようですが、そうではなく、ストレスの蓄積が少なかっただけだからだと考えます。つまり、最初からとんでもない結果をもたらす矛盾に満ちた、若しくは不公正なシステムだったけれども、始めたばかりで累積が少なかったのです。借金や廃棄物と同様、最初は累積が少ないだけなのです。原子力も金融制度も、最初から世界破壊のシステムであり、やるべきでは無かったパンドラの箱だったのです。つまり、昔はしっかり機能していたが、段々と実情から乖離して来た・・・のではなく、はじめから破局のシステムだったと言う事です。
つまり、現在「制度疲労」と言われているシステムの大部分は制度が疲労したのでは無く、はじめから欠陥を持った制度であったと考えています。それは現代のパラダイムが、経済成長、資本主義、無限の技術革新と言う最悪の欠陥システムを前提としているからであると考えます。
この最初から狂っていた大前提は、いつ頃から公理のように扱われるようになったかは、定かではありません。大航海時代からか・・・、産業革命時代からか・・・高度経済成長時代からか・・・兎も角、これらの大前提を基に作られた制度は、疲弊したのではなく、作られた当初から破綻は決まっていた欠陥制度だったのです。当初からこの矛盾に満ちたシステムの犠牲になった人も沢山いた筈ですが、無視されて来たのでしょう。そして実際これらのシステムによって世界・・社会も環境もどんどん破壊されて来たのです。


現代に蔓延る常識、「経済成長」を「常識」として鵜呑みにする事が、世界を破局に導いている事は確かでしょう。だから、『衰退する現代社会の危機』の結論
「一日も早く新しいパラダイムと新しいシステムへの転換で世界の危機を救うしか道はないであろう。」
には勿論賛同致しておりますし、本書の主張に大筋で合意致しております。

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【2015/07/17 00:01】 | Economic Fascism トラックバック(0) |

制度疲労あれこれ
爽風上々
金融システムや資本主義と言った「制度」が疲労しているというのはちょっと困った話で、もともと永続するはずもないシステムは疲労するのは必然です。

ただし、年金システムのような枝葉のシステムは疲労させずに時代に合わせて変えていくことが必要なのであり、それをしなかったのは為政者の怠慢でしかありません。平均寿命が短く年金受給世代が少なく、かつユースバルジと言うべき若い世代があふれていた時代に作った年金制度はすでに50年以上前に先行きの不安は見えていたはずです。それを何もせずに放っておいて、無駄遣いばかりをしていたのは許しがたいものであり、今になって少子化の方に責任転嫁などというのは能無し(脳なし)の証です。

ただし、制度が常に変わっていく社会に合わせなければならないかというとそれも真実とは言えず、7世紀の社会に合わせて成立したコーランを変えずに変わっていく社会を否定するというイスラム教の生き方もあります。

日本人は社会が変わっていくことを当然と考え、それを認めずに昔にこだわる人を批判する方が普通の価値観ですが、それがかえって社会の混乱を増すということもあるのかもしれません。

「制度」というものもいろいろあり、基本制度ともいうべきシステムは社会の変化に左右されない様な確固たるものを始めに確立すべきでしょうし、それほどでないシステムは社会変化に合わせて変えていけば良いことです。
また社会変化そのものを認めない社会と言うものも存在しうるものですが、社会の永続性からいうとそちらの方が可能性が高いのかもしれません。

Re:制度疲労あれこれ
雑草Z
爽風上々さんは
>もともと永続するはずもないシステムは疲労するのは必然

という見方をされていらっしゃいますが、私はそれを本文にも記したように

>制度が疲労したのでは無く、はじめから欠陥を持った制度であったと考えています。それは現代のパラダイムが、経済成長、資本主義、無限の技術革新と言う最悪の欠陥システムを前提としているからであると考えます。

つまり、「制度疲労」ではないと考えます。解釈の違いとも言えますが、大方「制度疲労」は体のいい言い訳でしょう。

>平均寿命が短く年金受給世代が少なく、かつユースバルジと言うべき若い世代があふれていた時代に作った年金制度はすでに50年以上前に先行きの不安は見えていたはずです。

もその通りで、最初から破綻は見えていたのだから制度疲労では無く、当初からの欠陥と捉えています。
結論の

>今になって少子化の方に責任転嫁などというのは能無し(脳なし)の証です。

には全く同意です。

>社会変化そのものを認めない社会と言うものも存在しうるものですが、社会の永続性からいうとそちらの方が可能性が高いのかもしれません。

それを本来は「保守」というのでしょうけれど、今は「保守」という言葉はかなり違った意味にも使われていますね。社会のシステムは何らかの大きな強制によって突然変えらる事がしばしば起こりますが、それが酷い方向に行く事が多々ですね。卑近な例で言えば現在の日本が正にその状態です。

不滅の貨幣
guyver1092
 不滅の貨幣とプラス金利を前提にする限り、有限の地球上で制度疲労を起こさないシステムは作れないと考えます。現在「制度疲労」と言い訳をしているシステムは、無限の経済成長を前提に作られており、いわば破滅の因子を内包していると言えるでしょう。(この辺りは合意事項ですね)
 自滅しないシステムを作るには、この地球上にある物理的制限を考えたシステムを作る以外ないでしょうね。
 不滅の貨幣をやめない限り、人類はローマクラブや、NASAの研究結果のように破滅するでしょうね。

Re:不滅の貨幣
雑草Z
>不滅の貨幣とプラス金利を前提にする限り、有限の地球上で制度疲労を起こさないシステムは作れない

なるほど、今回のタイトル「制度疲労」も御自分の持論に無理なく自然に繋げるあたりお見事です。

>現在「制度疲労」と言い訳をしているシステムは、無限の経済成長を前提に作られており、いわば破滅の因子を内包していると言えるでしょう。

またまた、本文で私がまとめた趣旨よりも上手くまとめられましたね。表現も妙です。この一文を本文の最後に付け加えさせて頂きたいと思います。

脱帽です。頗る参考になりました。

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コメント
この記事へのコメント
制度疲労あれこれ
金融システムや資本主義と言った「制度」が疲労しているというのはちょっと困った話で、もともと永続するはずもないシステムは疲労するのは必然です。

ただし、年金システムのような枝葉のシステムは疲労させずに時代に合わせて変えていくことが必要なのであり、それをしなかったのは為政者の怠慢でしかありません。平均寿命が短く年金受給世代が少なく、かつユースバルジと言うべき若い世代があふれていた時代に作った年金制度はすでに50年以上前に先行きの不安は見えていたはずです。それを何もせずに放っておいて、無駄遣いばかりをしていたのは許しがたいものであり、今になって少子化の方に責任転嫁などというのは能無し(脳なし)の証です。

ただし、制度が常に変わっていく社会に合わせなければならないかというとそれも真実とは言えず、7世紀の社会に合わせて成立したコーランを変えずに変わっていく社会を否定するというイスラム教の生き方もあります。

日本人は社会が変わっていくことを当然と考え、それを認めずに昔にこだわる人を批判する方が普通の価値観ですが、それがかえって社会の混乱を増すということもあるのかもしれません。

「制度」というものもいろいろあり、基本制度ともいうべきシステムは社会の変化に左右されない様な確固たるものを始めに確立すべきでしょうし、それほどでないシステムは社会変化に合わせて変えていけば良いことです。
また社会変化そのものを認めない社会と言うものも存在しうるものですが、社会の永続性からいうとそちらの方が可能性が高いのかもしれません。
2015/07/19(Sun) 05:47 | URL  | 爽風上々 #-[ 編集]
Re:制度疲労あれこれ
爽風上々さんは
>もともと永続するはずもないシステムは疲労するのは必然

という見方をされていらっしゃいますが、私はそれを本文にも記したように

>制度が疲労したのでは無く、はじめから欠陥を持った制度であったと考えています。それは現代のパラダイムが、経済成長、資本主義、無限の技術革新と言う最悪の欠陥システムを前提としているからであると考えます。

つまり、「制度疲労」ではないと考えます。解釈の違いとも言えますが、大方「制度疲労」は体のいい言い訳でしょう。

>平均寿命が短く年金受給世代が少なく、かつユースバルジと言うべき若い世代があふれていた時代に作った年金制度はすでに50年以上前に先行きの不安は見えていたはずです。

もその通りで、最初から破綻は見えていたのだから制度疲労では無く、当初からの欠陥と捉えています。
結論の

>今になって少子化の方に責任転嫁などというのは能無し(脳なし)の証です。

には全く同意です。

>社会変化そのものを認めない社会と言うものも存在しうるものですが、社会の永続性からいうとそちらの方が可能性が高いのかもしれません。

それを本来は「保守」というのでしょうけれど、今は「保守」という言葉はかなり違った意味にも使われていますね。社会のシステムは何らかの大きな強制によって突然変えらる事がしばしば起こりますが、それが酷い方向に行く事が多々ですね。卑近な例で言えば現在の日本が正にその状態です。
2015/07/20(Mon) 10:32 | URL  | 雑草Z #SAV8FvZY[ 編集]
不滅の貨幣
 不滅の貨幣とプラス金利を前提にする限り、有限の地球上で制度疲労を起こさないシステムは作れないと考えます。現在「制度疲労」と言い訳をしているシステムは、無限の経済成長を前提に作られており、いわば破滅の因子を内包していると言えるでしょう。(この辺りは合意事項ですね)
 自滅しないシステムを作るには、この地球上にある物理的制限を考えたシステムを作る以外ないでしょうね。
 不滅の貨幣をやめない限り、人類はローマクラブや、NASAの研究結果のように破滅するでしょうね。
2015/07/21(Tue) 21:49 | URL  | guyver1092 #-[ 編集]
Re:不滅の貨幣
>不滅の貨幣とプラス金利を前提にする限り、有限の地球上で制度疲労を起こさないシステムは作れない

なるほど、今回のタイトル「制度疲労」も御自分の持論に無理なく自然に繋げるあたりお見事です。

>現在「制度疲労」と言い訳をしているシステムは、無限の経済成長を前提に作られており、いわば破滅の因子を内包していると言えるでしょう。

またまた、本文で私がまとめた趣旨よりも上手くまとめられましたね。表現も妙です。この一文を本文の最後に付け加えさせて頂きたいと思います。

脱帽です。頗る参考になりました。
2015/07/22(Wed) 21:56 | URL  | 雑草Z #SAV8FvZY[ 編集]
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