-------- --:--
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
←読んだ甲斐があったと思ったら、ここをクリック願います
(少しだけのときは片方、かなりのときは両方)

2014-12-29 03:48


2014年度末に海外から入ってきたニュースで一番気になったのがアメリカとキューバの国交正常化交渉です。オバマ大統領は12月17日、1961年以来、半世紀以上も外交関係が断絶しているキューバと、国交正常化に向けた交渉を始めると発表しました。

ウクライナ情勢を受けて、ロシアが再びキューバに接近する事が懸念されていたからとか、オバマ大統領の任期が2期目の残り2年となり、選挙を気にする必要が無く、自らの功績としたいねらいがあるとか様々に憶測がなされています。しかし、オバマ大統領は大統領就任直後から、ブッシュ前大統領が強化していた対キューバ強硬路線からの方針転換を表明して来ました。その意味では、キューバとの国交回復は彼が大統領になったときからの目標の一つだったのだと思います。

今回の国交正常化の交渉で、アメリカは、キューバの首都ハバナに大使館を開設し、キューバへの渡航や送金の緩和、原則として禁止してきた建築資材や携帯電話などの輸出の緩和、テロ支援国家指定の見直しなどを検討する方向です。・・・最後の「テロ支援国家指定の見直し」には笑えます。アメリカが独善的な正義を振りかざして他の国を「テロ支援国家」とか「悪の枢軸」とか呼ぶことはブラックジョーク・パロディ以外の何ものでもないでしょう。アメリカの石油メジャーや砂糖メジャー、ハゲタカ金融業の巨大利権を黙認する政権なら卑劣で残忍な事をする政権でも支援し、農地改革や資源産業の国有化など、富の公平分配を目指す政権に対しては、経済封鎖や武力行使、暗殺を行って潰そうとしてきたアメリカこそテロ支援国家どころか、最大のテロ行使国家と呼ぶべきでしょう・・・。
アメリカは国交断絶後ずっと、キューバに対し、人権保護と民主化の要求・・・共産党の一党体制から複数政党制とすること等・・・を国交回復の条件として来ましたが、それはあくまでアメリカの表の顔、プロパガンダで、本来の目的はアメリカのメジャー、財閥等が支配し易くする事でしょう。アメリカにとっては、自国(の大企業)に利益になる行為が、他国の人権保護であり、民主化でした。


 キューバとの国交回復に対して、アメリカの中には政治家をはじめ、反対の人が多数いると報道されています。一方キューバにとっては、大いに助かる、計り知れないメリットがある・・・と言う見かたをする人が多いようです。しかし私は逆に考えます。

これまでのアメリカによるキューバを国際的に孤立させる政策は、1991年のソ連崩壊直後は成功するかに見えましたが、その後、明らかに失敗しています。失敗どころか、結果としてキューバを自給自足出来る強固な自立国家にしました。キューバは海外からの投資の誘致や市場経済化を進めてきました。現在キューバと国交のない国は、アメリカ、韓国、イスラエルだけとの事です。ロシアや中国なども経済関係を強化しようと接近しています。そんな中でアメリカが国交断絶を続けても、アメリカには大したメリットはない筈です。キューバにとっても国家としては痛くも痒くもないでしょう。(国民レベルでは、在米キューバ人からの仕送りが必要な人が沢山いて、国交再開を歓迎する声が多いと言われていますが・・・)逆にアメリカの政財界、金融業界は、早く国交を正常化しなければビジネスチャンスを他国に持って行かれると焦っているのではないでしょうか。

1991年のソビエト連邦の崩壊直後に、ソ連へのサトウキビ輸出やソ連からの支援は途絶え、更にアメリカによって海上封鎖されたキューバは未曽有の危機・・・経済危機、エネルギー危機、そして食料危機・・と複合的な危機に見舞われました。追い込まれたキューバは、色々工夫、努力して、苦労の末に自給自足が出来る国家に生まれ変わりました。現在成功している唯一の社会主義国家とも言えるでしょう。日本に限らずこれから多くの国が自給自足出来る持続可能な国家にシフトする為のお手本ともなり得ましょう。そんな一つの理想の変貌を遂げたキューバですが、一方では、経済危機のショック緩和の為に、国民の外貨所持の解禁、自営業の一部認可、個人への農地分与、外国資本の積極的な導入、農産物の自由市場再開等の改革も行ってきました。それによって外貨を持つ者と持たざる者との格差ができ、汚職などの不正行為も広がりました。ここで更にアメリカとの国交正常化が為されれば、格差社会は更に広がり、アメリカ的な荒廃も起こるでしょう。キューバ革命前の資本家、大地主支配の社会に戻ってしまう可能性があると言う事です。アメリカ(の多国籍企業、ハゲタカ金融業)があの手この手で経済支配しようと仕掛けてくるでしょう。社会主義体制も維持出来なくなる可能性も低くないでしょう。
国家同士対立する事は好ましくはありませんが、アメリカは理想国家どころか、経済侵略国家です。巨大資本と金融財閥など、金融海賊が国家に大きな影響力を持っている国なのです。TPPやFTA(自由貿易協定)のような協定で経済的に支配されるかも知れません。市場開放をさせた後で、20世紀末からのメキシコやアルゼンチン、アジア、アフリカ諸国での金融危機のようなものを仕掛けられる可能性も大いにあるでしょう。そう、アメリカとの国交正常化は、アメリカの金融海賊たちとの取引正常化でもあるのです。アメリカ(の金融資本家・多国籍企業)にとっては(短期的な)利益に繋がるでしょうが、相手国にとっては利用されるだけかも知れません。キューバと友好関係を結んでいるラテンアメリカ諸国、ベネズエラ、ボリビア、エクアドル、チリ、エルサルバドル、ブラジル・・・と共に反米勢力で団結して、アメリカの金融海賊達に(経済)支配されない事のほうが重要だと考えます。この中南米諸国の反米、反グローバリズムの動きに私は期待をしています。


ソ連の崩壊とアメリカの海上封鎖と言う危機に際して、世界に例のない変貌・・・グローバル化からローカル化(強制的な鎖国)に戻ることによって危機を乗り越えることが出来たキューバが、アメリカとの国交回復によってまたグローバリゼイションの罠に嵌り、持続不可能な国家に戻ってしまうのは至極残念な事です。国交を回復しても、アメリカとは十分な距離を保ち、持続可能な国家であり続ける事を望みます。
スポンサーサイト
←読んだ甲斐があったと思ったら、ここをクリック願います
(少しだけのときは片方、かなりのときは両方)

【2014/12/29 03:48】 | 国際社会 トラックバック(0) |

コメントありがとう
そりゃないよ獣医さん
以前、フリッツハーパーの件でで不快な思いをさせたこともあって、失礼していました。その間も、共鳴するところが多く、貴ブログは見させていただいていました。
キューバは農業関係者にとっては、ほとんど聖地のようなところです。ほとんど化学肥料も農薬も用いない、有機肥料だけで国民を食べさせています。様々な意味で、失われた農業の原点がキューバにはあります。
社会的にも貧富の差が無く、ブータンと共に国民幸せ量のGDHが最も高い国家と言われています。
今回のアメリカとの国交回復で、銭金の問題で社会が動かないように願っています。

アメリカとの国交回復には気を付けるべき!
雑草Z
    そりゃないよ獣医さん

再びのコメント有難うございます。今回のキューバとアメリカの国交正常化交渉に関して、日本では、

キューバにとってはいいことだらけだ・・と言った軽率な論調が多い中、獣医さんのように

>アメリカとの国交回復で、銭金の問題で社会が動かないように願っています。

と言う見解は重要だと思います。
 日本はアメリカ発の情報に踊らされているからTPP参加にも賛成派が多いのでしょう。TPPなんてアメリカのメジャー企業、多国籍企業を儲けさせる為だけの罠ということに気付くべきです。

また、獣医さんがキューバの農業や庶民の生活に対しても高く評価されていて、嬉しくなりました。私も本文にも書きましたように、キューバはこれからの日本、世界の国々が向かうべき一つの成功例だと考えております。その意味でもアメリカとの国交回復でアメリカナイズされないで欲しいものです。アメリカとの国交よりもラテンアメリカ諸国との連帯を重視して欲しいと願います。 

お題目的には良いことでしょうが
guyver1092
 友好関係を結ぶほうが敵対しているよりも良いことは確かでしょうが、謀略国と対等な関係を結ぶのは難しいことでしょうし、キューバ国内の格差拡大等を考えれば、かなり危険を伴うものかもしれませんね。
 私としては、減価する貨幣をキューバ国内で地域通貨として利用すると、アメリカと付き合うことの害をかなり排除できるのではと考えます。
 本文にもあるように、中南米の反米国との付き合いを大事にすべきではないかと考えます。

Re:お題目的には良いことでしょうが
雑草Z
>謀略国と対等な関係を結ぶのは難しいことでしょう

欧米とは、南米の国も不平等条約の歴史の繰り返しでしたからね。世界中の国家の中では理想に近いキューバの現状を食いものにされそうです。

>減価する貨幣をキューバ国内で地域通貨として利用すると、アメリカと付き合うことの害をかなり排除できるのではと考えます。

そこのところ、よくお教え下さい。私には思いもつきませんでした。(記事を書いて頂くのもいいですね。)アメリカドルが入ってきたら難しくなるのでは??

減価する貨幣をキューバ国内で地域通貨として利用すると、アメリカと付き合うことの害をかなり排除できるのではと考えます。

>本文にもあるように、中南米の反米国との付き合いを大事にすべきではないかと考えます。

guyver1092 さんも、キューバに対してほぼ私と同じ見解である事を頼もしく思います。


コメントを閉じる▲
コメント
この記事へのコメント
コメントありがとう
以前、フリッツハーパーの件でで不快な思いをさせたこともあって、失礼していました。その間も、共鳴するところが多く、貴ブログは見させていただいていました。
キューバは農業関係者にとっては、ほとんど聖地のようなところです。ほとんど化学肥料も農薬も用いない、有機肥料だけで国民を食べさせています。様々な意味で、失われた農業の原点がキューバにはあります。
社会的にも貧富の差が無く、ブータンと共に国民幸せ量のGDHが最も高い国家と言われています。
今回のアメリカとの国交回復で、銭金の問題で社会が動かないように願っています。
2014/12/30(Tue) 00:24 | URL  | そりゃないよ獣医さん #RbQvinRU[ 編集]
アメリカとの国交回復には気を付けるべき!
    そりゃないよ獣医さん

再びのコメント有難うございます。今回のキューバとアメリカの国交正常化交渉に関して、日本では、

キューバにとってはいいことだらけだ・・と言った軽率な論調が多い中、獣医さんのように

>アメリカとの国交回復で、銭金の問題で社会が動かないように願っています。

と言う見解は重要だと思います。
 日本はアメリカ発の情報に踊らされているからTPP参加にも賛成派が多いのでしょう。TPPなんてアメリカのメジャー企業、多国籍企業を儲けさせる為だけの罠ということに気付くべきです。

また、獣医さんがキューバの農業や庶民の生活に対しても高く評価されていて、嬉しくなりました。私も本文にも書きましたように、キューバはこれからの日本、世界の国々が向かうべき一つの成功例だと考えております。その意味でもアメリカとの国交回復でアメリカナイズされないで欲しいものです。アメリカとの国交よりもラテンアメリカ諸国との連帯を重視して欲しいと願います。 
2014/12/30(Tue) 17:13 | URL  | 雑草Z #SAV8FvZY[ 編集]
お題目的には良いことでしょうが
 友好関係を結ぶほうが敵対しているよりも良いことは確かでしょうが、謀略国と対等な関係を結ぶのは難しいことでしょうし、キューバ国内の格差拡大等を考えれば、かなり危険を伴うものかもしれませんね。
 私としては、減価する貨幣をキューバ国内で地域通貨として利用すると、アメリカと付き合うことの害をかなり排除できるのではと考えます。
 本文にもあるように、中南米の反米国との付き合いを大事にすべきではないかと考えます。
2014/12/30(Tue) 19:35 | URL  | guyver1092 #-[ 編集]
Re:お題目的には良いことでしょうが
>謀略国と対等な関係を結ぶのは難しいことでしょう

欧米とは、南米の国も不平等条約の歴史の繰り返しでしたからね。世界中の国家の中では理想に近いキューバの現状を食いものにされそうです。

>減価する貨幣をキューバ国内で地域通貨として利用すると、アメリカと付き合うことの害をかなり排除できるのではと考えます。

そこのところ、よくお教え下さい。私には思いもつきませんでした。(記事を書いて頂くのもいいですね。)アメリカドルが入ってきたら難しくなるのでは??

減価する貨幣をキューバ国内で地域通貨として利用すると、アメリカと付き合うことの害をかなり排除できるのではと考えます。

>本文にもあるように、中南米の反米国との付き合いを大事にすべきではないかと考えます。

guyver1092 さんも、キューバに対してほぼ私と同じ見解である事を頼もしく思います。
2014/12/30(Tue) 23:20 | URL  | 雑草Z #SAV8FvZY[ 編集]
コメントを投稿
URL:

Pass:
秘密: 管理者にだけ表示を許可
 
トラックバック
この記事のトラックバックURL
この記事へのトラックバック
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。