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2013-11-29 00:01
SLAPP[Strategic Lawsuit Against Public Participation 恫喝訴訟・・直訳;市民の社会参加に対する戦略的訴訟] とは、訴訟を起こしたり反対運動をしたり、政府や自治体の対応を求めて、公の場で発言したりしている権力を持たない比較弱者に対して、企業や政府など比較優者が恫喝、発言封じ、などを目的に起こす、報復的な訴訟の事です。
つまり、反対運動等を鎮静化する為に、若しくは報復措置として(民事)訴訟を起こす事です。名誉棄損や誹謗中傷、業務妨害、公務執行妨害、共謀等の罪で提訴されます。市民が自らの生存権や自然環境を守るために行う表現活動に対して、権力者側が司法を使って、時間的にも精神的にも、金銭的にも負担をかけて押さえつけるものです。
被告(ターゲット)にされるのは、個人や市民団体、ジャーナリストです。憲法で保障された権利・・・デモ、ビラ配布、新聞への寄稿、記事の執筆・・・をしただけで、不法行為の疑いがあるとして、訴訟を起こされます。アメリカ等では通常民事訴訟を起こされてきたので、SLAPPの定義に「民事訴訟である事」が盛りこまれていますが、日本の場合は事情が違うようです。公務執行妨害等の悪辣な刑事訴訟を起こされる事例が結構あります。
先日、東京を訪れた際に、丁度全国のスラップ訴訟の被害者の集会をやるとの情報を得て、他の用事を切り上げて顔を出してみました。スラップ訴訟を仕掛けられた何組かの方々のお話がありましたが、どの事例もあまりにも理不尽な例ばかりでした。いわゆる「いちゃもん」の類だと思います。その中でも酷い例だと感じた やんばる東村 高江の事例について書かせて頂きます。
沖縄県本島北部に位置する東村高江区は、わずか160人が暮らす小さな集落です。2007年から米軍ヘリパッド(ヘリコプター離着陸帯)建設が着工されました。「やんばるの豊かな自然を守り、自分の家で普通に暮らすため」に、高江住民をはじめとした人々が座り込みという形の抗議行動を通して、国に話し合いの場を求め続けてきました。
2008年11月に国は「座り込みは工事を妨害している」として、高江住民ら15名を相手に「通行妨害禁止仮処分」を那覇地裁に申し立ててきました。座り込みなどに参加していた沢山の人の中から、住所氏名を特定出来る15人に絞って仮処分対象者に選んだようです。その中に夫婦が4組含まれていました。「現場にいた人と背格好や服装が似た別人」も含まれていました。(これは他の日本の政府によるスラップ訴訟にもいくつかあった例です。・・非常に杜撰な訴訟です。)そして、反対運動のリーダーの一人は、本人と妻ばかりでなく、現場に行った事もない当時8歳の娘さんまで含まれていました。「国策に反対すれば、年齢に関係なく、家族まで弾圧する」と言う脅しとしか考えられません。
2009年3月に行われた仮処分申し立ての審尋で国(沖縄防衛局)は、
ブログを通して座り込みを呼び掛けている事
○ヘリパッド建設に反対する内容のイベントを開催すること
○高江の事を広く知ってもらう為のDVDを作成する事
○沖縄防衛局に建設反対を申し入れる事
などを「妨害行為」だと主張していました。
憲法21条で保障された「言論・表現の自由」は、権力に対して異論を唱える自由を保障しています。以上の行為は全て合法と言う事で訴訟の対象にするのはおかしい事ではないでしょうか。
2009年12月、那覇地裁が出した決定は、住民らの起こした行動は正当な表現行動だと認め、12名に対する申し立ては却下されましたが、(8歳の娘さんはそれ以前に直ぐに却下されていました・・当然でしょう。)同じ抗議行動をしていた2名は「ヘリパッドいらない住民の会」の共同代表に名前があったと言う事で、通行防止禁止の申し立てが認められてしまいました。この決定に不服があるとして住民と弁護団は、那覇地裁に起訴命令を申し立て、国は高江住民2名に対して本訴訟を提起しました。
那覇地裁では住民1名に対しては、妨害行動は認められないと国の請求を退けましたが、もう一名に対しては「数秒間手を挙げただけ」の場面を沖縄防衛局に撮影され、それが妨害と認められてしまいました。住民側の「国の訴えは恫喝目的のスラップ訴訟である」との主張は、「請求内容から直ちに恫喝目的がうかがわれるものではない」として認められませんでした。
このような不当判決を受け、住民側は福岡高裁那覇支部に控訴しましたが控訴は棄却されました。しかし判決の法的根拠や理由は説明されず、「妨害行為」の基準はあいまいなままです。2013年7月に住民の会と弁護団は控訴審での判決を不服として、最高裁に上告しました。
弁護側は「控訴審の判決は、憲法で保障されている表現の自由の根幹を揺るがす」
「スラップ訴訟を食い止める為にも、上告して判決を求めたい」とコメントしています。
日本の裁判所は、上に行くほど国の御用組織的要素が強く、とても三権分立がしっかり成り立っているとは言えない状態ですので、裁判で勝つ事は困難でしょうが、このようなスラップ裁判を許すわけにはいかないでしょう。

SLAPP訴訟に詳しい、自らもスラップ訴訟を仕掛けられた経験のあるフリージャーナリストの烏賀陽弘道氏は、 「私人と私人の紛争を解決する手段」である民事訴訟の原告が国と言うのも奇異なら、国が税金を使って納税者である国民を訴えたと言うのも奇妙だ」と言及していますが、全くその通りです。彼は自らのHP【SLAPPIC】も立ちあげています。スラップ訴訟によって、裁判コストが、被告にのしかかります。そして、大きな公的論争が、裁判上の(大して重大でない)論争に矮小化されてしまいます。高江のスラップ訴訟で争われていたのは「○年△月×日に、工事現場でA氏は通行を妨害したかどうか」と言う論点です。実に些細な事件です。この事で「高江にヘリパッドを建設していいのか」・・と言う「公的な論争」を封じ込めるのは如何なものでしょう。仮にこの裁判で住民側が敗訴しても「ヘリパッドを建設してもよい」と言う結論にはなりません。これは、SLAPPと言う概念を提唱した法学者の言うところの『論点すり替え戦略 Dispute transfer strategy』です。
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【2013/11/29 00:01】 | 社会・経済 トラックバック(0) |

まさしくいつか来た道
guyver1092
 昔、何かの本で読んだのですが、国家の経済が追いつめられるとその国の中の思想は必ず過激になると書かれていました。様は外国を食ってしまえということです。
 秘密保護法とこの訴訟で外国を食いに行くのが最終目標のようですが、実は日本の極右の目的は戦争することであって、外国を食うことは視野に入っていないようです。理由として、日本攻撃専用巨大原爆を未だにあきらめていないからです。

Re:まさしくいつか来た道
雑草Z
guyver1092さんも、現在の日本が戦前、戦争に突入していったころの日本に似ていると感じていらっしゃいましたか?

>秘密保護法とこの訴訟で外国を食いに行くのが最終目標のようですが、実は日本の極右の目的は戦争することであって、

外国に喰われようとしている日本の状況を判断出来ないのでしょうか?
 戦争で負けた日本は、戦後高度経済成長時代には経済で外国を食っていましたが、それを再び・・・と言う考えはかなり危険です。喰われる可能性が大きいでしょう。広くない国土に17か所、50基以上の原発を抱えて戦争など狂気の沙汰です。

それにしても、日本政府等によって行われているスラップ訴訟は酷いものです。高江だけでなく、上関原発等でも、本当に酷いものです。富山市では瓦礫の受け入れに反対していた母親が市長に刑事告訴されました。日本でのスラップは、アメリカでの定義に反して、民事訴訟では無く、政府や自治体による刑事訴訟が悪質です。訴える側は利権に塗れて恥を知らないようです。


法律に基づいた弾圧ですね。
でなしNo.146
昔から「国」という組織は富裕層や政府上層部が権力を持ち、下の者がつけを支払う構造があります。

政府がない方が良いとは思いませんが、こういう「法律に基づいた弾圧」がシレッと行われる状況を変える必要はあると思います。

そして、裁判になると公的な議論が必要な問題が「妨害活動の有無」という矮小化された問題になるというふざけた現状も変える必要があると思いました。

こういう大事な問題をマスコミはスルーするという状況も良くないです。

この手のお話は裁判に限らず、力のあるものが統制を取るために下の者に強引に(法律に基づいて)言うことを聞かせるという状況、としていろんな分野に見られます。

なんとかならないか。考えて行かないといけないと思いました。
ともすると、こういう考え方すら「反社会的」なんて思われちゃうんですかね。

Re:法律に基づいた弾圧ですね。
雑草Z
>昔から「国」という組織は富裕層や政府上層部が権力を持ち、下の者がつけを支払う構造があります。

そうですね。昔と比べて段々改善されているように歴史の教科書では教えられていますが、本当に良くなって来たのでしょうか?

国や自治体は憲法で保障されている権利を、違法行為だとして訴えているのですから、本来は法律に基づいた弾圧ではなく理不尽な弾圧でしょう。それでも裁判所を使って脅すのは権力の乱用でしょうね。・・・日本の裁判では、国が訴えた場合は大抵国が勝つ率が非常に高いのですが、スラップの場合は、理不尽過ぎるので流石に国が勝つ率は少ないようです。
高江の場合も15人中14人は不起訴になったわけですから、国は14人には負けたわけです。しかし負けた国は、裁判費用も税金でしょうし、裁判に出席する連中も公務のうちでしょうから、ダメージは少ないでしょう。それに対し「勝った」住民は、弁護士費用も自分達で支払わなくてはならないし、仕事も休まなければならないし、運動に費やす時間は削られるしで、かなり疲弊したとの事です。それこそスラップ訴訟の狙いでしょう。・・酷いものです。

>こういう大事な問題をマスコミはスルーするという状況も良くないです。

地元のマスコミなどが小さく取り上げているようですが、もっと大々的に騒ぐべきですね。オリンピック誘致よりも遥かに重大な問題です。

>ともすると、こういう考え方すら「反社会的」なんて思われちゃうんですかね。

そうですね。特定機密保護法案が通ったら、こんな裁判の裏事情を暴露したり世間に知って貰おうと情報公開した公務委員やマスコミ、一般人も罰せられるというような理不尽な事が起こるかも知れませんね。



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この記事へのコメント
まさしくいつか来た道
 昔、何かの本で読んだのですが、国家の経済が追いつめられるとその国の中の思想は必ず過激になると書かれていました。様は外国を食ってしまえということです。
 秘密保護法とこの訴訟で外国を食いに行くのが最終目標のようですが、実は日本の極右の目的は戦争することであって、外国を食うことは視野に入っていないようです。理由として、日本攻撃専用巨大原爆を未だにあきらめていないからです。
2013/11/29(Fri) 22:36 | URL  | guyver1092 #-[ 編集]
Re:まさしくいつか来た道
guyver1092さんも、現在の日本が戦前、戦争に突入していったころの日本に似ていると感じていらっしゃいましたか?

>秘密保護法とこの訴訟で外国を食いに行くのが最終目標のようですが、実は日本の極右の目的は戦争することであって、

外国に喰われようとしている日本の状況を判断出来ないのでしょうか?
 戦争で負けた日本は、戦後高度経済成長時代には経済で外国を食っていましたが、それを再び・・・と言う考えはかなり危険です。喰われる可能性が大きいでしょう。広くない国土に17か所、50基以上の原発を抱えて戦争など狂気の沙汰です。

それにしても、日本政府等によって行われているスラップ訴訟は酷いものです。高江だけでなく、上関原発等でも、本当に酷いものです。富山市では瓦礫の受け入れに反対していた母親が市長に刑事告訴されました。日本でのスラップは、アメリカでの定義に反して、民事訴訟では無く、政府や自治体による刑事訴訟が悪質です。訴える側は利権に塗れて恥を知らないようです。
2013/11/30(Sat) 20:16 | URL  | 雑草Z #SAV8FvZY[ 編集]
法律に基づいた弾圧ですね。
昔から「国」という組織は富裕層や政府上層部が権力を持ち、下の者がつけを支払う構造があります。

政府がない方が良いとは思いませんが、こういう「法律に基づいた弾圧」がシレッと行われる状況を変える必要はあると思います。

そして、裁判になると公的な議論が必要な問題が「妨害活動の有無」という矮小化された問題になるというふざけた現状も変える必要があると思いました。

こういう大事な問題をマスコミはスルーするという状況も良くないです。

この手のお話は裁判に限らず、力のあるものが統制を取るために下の者に強引に(法律に基づいて)言うことを聞かせるという状況、としていろんな分野に見られます。

なんとかならないか。考えて行かないといけないと思いました。
ともすると、こういう考え方すら「反社会的」なんて思われちゃうんですかね。
2013/12/01(Sun) 15:59 | URL  | でなしNo.146 #89zBIK8s[ 編集]
Re:法律に基づいた弾圧ですね。
>昔から「国」という組織は富裕層や政府上層部が権力を持ち、下の者がつけを支払う構造があります。

そうですね。昔と比べて段々改善されているように歴史の教科書では教えられていますが、本当に良くなって来たのでしょうか?

国や自治体は憲法で保障されている権利を、違法行為だとして訴えているのですから、本来は法律に基づいた弾圧ではなく理不尽な弾圧でしょう。それでも裁判所を使って脅すのは権力の乱用でしょうね。・・・日本の裁判では、国が訴えた場合は大抵国が勝つ率が非常に高いのですが、スラップの場合は、理不尽過ぎるので流石に国が勝つ率は少ないようです。
高江の場合も15人中14人は不起訴になったわけですから、国は14人には負けたわけです。しかし負けた国は、裁判費用も税金でしょうし、裁判に出席する連中も公務のうちでしょうから、ダメージは少ないでしょう。それに対し「勝った」住民は、弁護士費用も自分達で支払わなくてはならないし、仕事も休まなければならないし、運動に費やす時間は削られるしで、かなり疲弊したとの事です。それこそスラップ訴訟の狙いでしょう。・・酷いものです。

>こういう大事な問題をマスコミはスルーするという状況も良くないです。

地元のマスコミなどが小さく取り上げているようですが、もっと大々的に騒ぐべきですね。オリンピック誘致よりも遥かに重大な問題です。

>ともすると、こういう考え方すら「反社会的」なんて思われちゃうんですかね。

そうですね。特定機密保護法案が通ったら、こんな裁判の裏事情を暴露したり世間に知って貰おうと情報公開した公務委員やマスコミ、一般人も罰せられるというような理不尽な事が起こるかも知れませんね。

2013/12/01(Sun) 21:06 | URL  | 雑草Z #SAV8FvZY[ 編集]
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