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2013-11-11 00:01
社会主義、共産主義国家の『計画経済』に対して、資本主義国家は、『市場経済』であると言われます。市場経済における行動原理は自由則であり、「需要と供給の価格メカニズムで資源を最適に分配するシステムである」と言われています。この意味で市場経済は計画経済よりも優れているとも言えそうですが、この市場経済と資本主義を同一視してよいのでしょうか?
商品の交換の起源について、アダム・スミス以来の常識化されている見解は、
初めは社会内部での物々交換、それから外部へ向かって貨幣や信用を媒介とする市場交換、この過程で分業と技術進歩がさらに進んで、今日のようなボーダレスな市場社会が出現する・・・というものです。
 これに対し、カール・ポランニーは、
商品交換の真の出発点は遠隔地取引であって、市場は共同体経済の内部ではなく、専ら外部で機能する制度なのである・・・・と通説の順序を逆転させています。そして、地域市場(ローカルな市場)は本質的に非競争で、地域の生活の一付属物であり、競争的な全国市場への出発点ではないと、交換の起源とその意味を明らかにしています。つまり貿易は地域市場とは別個の歴史的起源を持っているという見解です。・・・なるほど、と思ったのは私だけではないでしょう。


市場経済とは、市場のメカニズムに従ってモノやサービスが交換される世界であるので、ある程度の競争が作用して価格メカニズムが働きます。しかし、個人、若しくは企業は、与えられた条件のもとで日常的な一定の活動をすればよいので、積極的に「資本」を蓄積して投資して、事業を拡大することには拘らなくてもいいのです。市場経済はある一定の地域規模での日常的な需要と供給を、市場を通して充足させる経済社会であるから、定常系を想定することも可能です。

それに対して資本主義は、資本を増やすことが目的ですから、企業が絶えず新たな利潤を求めて蓄積した資本を積極的に投資していきます。その結果、社会全体の物質的な富の拡大も伴うことになるのです。つまり、資本主義とは、人々の欲望を拡大し、それに対して物的な形を絶えず与えていく運動です。その意味で「経済成長」の目的化も、資本主義と表裏一体と言えましょう。
 局地的な市場は、その地域の一定の地域資源のもとで、ある程度の定常系の経済活動を前提にして行われてきたと言えるのです。だから市場経済は自己増殖する必要はないのです。基底にある共同体の『共』的世界が「欲望」の自己増殖を抑制する機能を内在させていたのです。
勿論実際問題として、市場経済と資本主義は重なり合う部分もあり、きれいに分離する事は困難でしょう。資本主義活動は、多くの場合、市場を通して為されるからです。
しかし、「計画経済」に対抗する経済は「市場経済」であり、「資本主義」になる必要はありません。
資本主義は[Capitarist Society]の訳です。直訳すれば「資本家の社会」です。資本家が主役で、労働者は生産の要素の一つ、若しくは商品の一つとして扱われます。資本家が余剰資金を投資し、資本を増やそうする活動は、いわゆるマネーゲームです。だから「資本主義」はマネーゲームをやるギャンブラーの為の社会と言う事になりましょう。・・とんでもない事です。
現在、資本家の為に、指導者と呼ばれる人々はかなり行き過ぎた振舞いをしています。日本に限らず、世界中で資本主義の延命の為に行き過ぎた政策が為されています。経済のグローバル化・・・アベノミクスもTPPも、資本家を更に儲けさせる為の政策と言えましょう。「経済のグローバル化」と言う名のもとに資本家の為の政治が為されているのが実情です。市場経済を肯定しても、資本家の更なる金儲けの為の手段の為に地球環境を破壊する資本主義は肯定できるものではありません。資本家のプロパガンダに踊らされずに、「市場経済」と「資本主義」は、別物として考えるべきでしょう。



 参考文献
  循環の経済学  第2章 自由則と禁止則の経済学   多辺田 政弘 著
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【2013/11/11 00:01】 | 社会・経済 トラックバック(0) |

証拠
guyver1092
 「ヒューマン なぜヒトは人間になれたのか」で紹介されていた遺跡研究から考えても、定説が誤りで、カール・ポランニーが正しいのでしょうね(物証の存在)。
 シルビオゲゼル入門によると、資本主義と市場経済を混同している人が多いと紹介されていました。市場経済は資本主義が出来るはるか以前から存在していて、資本主義の原型は17世紀の東インド会社であるとあります(他の何かでも読んだような記憶があります)。
 地球の物理的制限を無視して成り立つ資本主義は人類文明にとっての破滅の因子です。これをモアイのごとくあがめたてまつっている限り破滅は必ずやってくるのでしょうね。


Re:証拠
雑草Z
    guyver1092さん

 またまた、目から鱗のコメント有難う御座います。

>遺跡研究から考えても、定説が誤りで、カール・ポランニーが正しいのでしょうね(物証の存在)。

物証が存在したとは驚きです。どんな物証だったか御紹介願います。・・想像がつきません。

>資本主義と市場経済を混同している人が多いと紹介されていました。

そうですね。沢山いるでしょう・・・と言うよりもそれが大半かも知れません。共産主義に対抗する資本主義のプロパガンダでは意図的にそれが為されていますね。資本家達は資本主義の非常に利己的な側面は隠しておきたいのでしょう。

(今回のタイトル「市場経済と資本主義」でしたが、タイトル付け忘れていたので、急遽書き加えました。)

>地球の物理的制限を無視して成り立つ資本主義は人類文明にとっての破滅の因子です。これをモアイのごとくあがめたてまつっている限り破滅は必ずやってくるのでしょうね。

貪欲な資本家達に世界が滅ぼされていくのは耐えられませんね。資本家による無茶苦茶なプロパガンダをしっかり論破して、ネットを通じて世界中の人に知ってもらう必要がありますね。破滅は近いと感じている今日この頃です。


Re:物証
guyver1092
 p114あたりから書かれていますが、トバ火山による急激な寒冷化の直後あたりから黒曜石が遠隔地で多く見つかるようになったそうです。生存戦略として始まった助け合い(時間差による交換)の証拠として注目しているそうです。ちなみにこの研究をしているのは、イリノイ大学のスタンレー・アンブローズ博士と言います。

Re:Re:物証
雑草Z
    guyver1092さん

 物証の想像がつきませんでしたが、そのようなものだったのですね!なるほど、

>生存戦略として始まった助け合い(時間差による交換)の証拠

ですか。社会内部での物々交換が外部へ向かう市場交換に発展する必然性は無いと言う事ですね。カール・ポランニーの洞察はユニークで鋭いですね。

ところで、書評に関する内容の続きですが、guyver1092さんは、カール・ポランニーの書物を読まれた事はありますか?

 私は、ポランニーに興味をもったきっかけは良く覚えていませんが・・・『大転換』と言う言葉に惹き寄せられたのかと思いますが・・・・大転換は古くて厚くてちょっと敷居が高そうで購入を渋って、代わりに彼の論文などの著作集である「経済の文明史」を購入して読み始めましたが、中断してかなりの時間が経ちました。(つまらなくて中断したのでは無く、物理的に中断してそのままです・・・内容はかなり興味深く読め、引き込まれます。)本書を読み終えたら、新訳の出た『大転換』を読みたいと思っています。
 経済学にはあまり興味はありませんが、カール・ポランニーや「循環の経済学」の著者達の書物には関心があります。彼らの主張は理に適っているので信頼が置けます。

経済の文明史
guyver1092
 買ったのは「経済の文明史」のみです。これも少し拾い読みをしたところで積んである状態です。
 本格的に読んだ本はありません。

Re:経済の文明史
雑草Z
guyver1092さんも「経済の文明史」を持っていらっしゃったのですね!?そして読んだ量も私と大差ないかと思います(笑)
「経済の文明史」は、「循環の経済学」の一部ともかなりオーバーラップしています。・・・「循環の経済学」の著者の参考文系なのですから当然ですね。・・・あまり読みやすい本とは言えないかも知れませんし、10篇の論文集で、当たり外れはあるやも知れませんが、単なる「経済学」の範疇を越えた名著であると思います。読み切りたいものです。
 ところで、これまで読まれた経済関係の書物の中で、guyver1092さんお薦めの本は何ですか?

お薦め
guyver1092
 確かに読みづらいですね。買った以上はいつかは読みたいですが。
 これまで読んだ経済書の中(狭義の経済書)では部分的には参考に出来る部分はありますが、人に薦められるものはないですね(エントロピー派の物を除く)。

Re:お薦め
雑草Z
    guyver1092さん

 そうですか!?・・・やっぱり
>(狭義の経済書)
の中には、読む価値のあるものは殆ど無いようですね。・・反面教師として読む価値のある経済書はごまんとあるでしょうけれど・・(笑)
一昨日の土曜日、東京の大きな書店で経済書のコーナーを見てみたら、ポランニーの『大転換』がありました。ぺらぺらめくって見ましたが、かなりの大作です。一冊で、『文明崩壊』上下巻2冊分のボリュームのイメージです。・・・ちょっと買う気がしませんでした。・・・『経済の文明史』の内容とかなりオーバーラップするようですし、『経済の文明史』だけで足りるかも知れません。『経済の文明史』を読み終えてから検討しようと思います。

経済関係の書物からもっと広げて、政治・経済、文明論まで;社会科学系一般まで広げた場合・・・お薦めの書物は何ですか?

一般まで
guyver1092
 鵜呑みにするのは危険かもしれませんが、「ヒューマン なぜヒトは人間になれたのか」は価値があると思いますし、「エンデの遺言」等、「シルビオ・ゲゼル入門」(これは経済書に近いものがあるかもしれません)、あと、まだ途中までしか読んでいませんが、室田武氏の「地域・並行通貨の経済学」が私の推薦書です。


雑草Z
    guyver1092さん

 ご回答有難う御座います。

>「ヒューマン なぜヒトは人間になれたのか」

は購入してみようと思います。

>「エンデの遺言」等、「シルビオ・ゲゼル入門」

も検討してみます。

室田武氏はかなり好きなので、これまた購入してみようと思います。かれはまだまだ多くの著書があるようです。

それから、『循環の経済学』を戴くきっかけとなった、著者の一人、多辺田 政弘氏もかなりお気に入りですので、彼の著書も欲しいと考えています。・・・あんまり買い過ぎると。『経済の文明史』のように買って何年も読み切れなくなって仕舞いますが・・・guyver1092 さんと共通の書物を読んで議論したいと考えております。宜しくお願い致します。

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この記事へのコメント
証拠
 「ヒューマン なぜヒトは人間になれたのか」で紹介されていた遺跡研究から考えても、定説が誤りで、カール・ポランニーが正しいのでしょうね(物証の存在)。
 シルビオゲゼル入門によると、資本主義と市場経済を混同している人が多いと紹介されていました。市場経済は資本主義が出来るはるか以前から存在していて、資本主義の原型は17世紀の東インド会社であるとあります(他の何かでも読んだような記憶があります)。
 地球の物理的制限を無視して成り立つ資本主義は人類文明にとっての破滅の因子です。これをモアイのごとくあがめたてまつっている限り破滅は必ずやってくるのでしょうね。
2013/11/13(Wed) 21:21 | URL  | guyver1092 #-[ 編集]
Re:証拠
    guyver1092さん

 またまた、目から鱗のコメント有難う御座います。

>遺跡研究から考えても、定説が誤りで、カール・ポランニーが正しいのでしょうね(物証の存在)。

物証が存在したとは驚きです。どんな物証だったか御紹介願います。・・想像がつきません。

>資本主義と市場経済を混同している人が多いと紹介されていました。

そうですね。沢山いるでしょう・・・と言うよりもそれが大半かも知れません。共産主義に対抗する資本主義のプロパガンダでは意図的にそれが為されていますね。資本家達は資本主義の非常に利己的な側面は隠しておきたいのでしょう。

(今回のタイトル「市場経済と資本主義」でしたが、タイトル付け忘れていたので、急遽書き加えました。)

>地球の物理的制限を無視して成り立つ資本主義は人類文明にとっての破滅の因子です。これをモアイのごとくあがめたてまつっている限り破滅は必ずやってくるのでしょうね。

貪欲な資本家達に世界が滅ぼされていくのは耐えられませんね。資本家による無茶苦茶なプロパガンダをしっかり論破して、ネットを通じて世界中の人に知ってもらう必要がありますね。破滅は近いと感じている今日この頃です。
2013/11/17(Sun) 11:33 | URL  | 雑草Z #SAV8FvZY[ 編集]
Re:物証
 p114あたりから書かれていますが、トバ火山による急激な寒冷化の直後あたりから黒曜石が遠隔地で多く見つかるようになったそうです。生存戦略として始まった助け合い(時間差による交換)の証拠として注目しているそうです。ちなみにこの研究をしているのは、イリノイ大学のスタンレー・アンブローズ博士と言います。
2013/11/17(Sun) 21:01 | URL  | guyver1092 #-[ 編集]
Re:Re:物証
    guyver1092さん

 物証の想像がつきませんでしたが、そのようなものだったのですね!なるほど、

>生存戦略として始まった助け合い(時間差による交換)の証拠

ですか。社会内部での物々交換が外部へ向かう市場交換に発展する必然性は無いと言う事ですね。カール・ポランニーの洞察はユニークで鋭いですね。

ところで、書評に関する内容の続きですが、guyver1092さんは、カール・ポランニーの書物を読まれた事はありますか?

 私は、ポランニーに興味をもったきっかけは良く覚えていませんが・・・『大転換』と言う言葉に惹き寄せられたのかと思いますが・・・・大転換は古くて厚くてちょっと敷居が高そうで購入を渋って、代わりに彼の論文などの著作集である「経済の文明史」を購入して読み始めましたが、中断してかなりの時間が経ちました。(つまらなくて中断したのでは無く、物理的に中断してそのままです・・・内容はかなり興味深く読め、引き込まれます。)本書を読み終えたら、新訳の出た『大転換』を読みたいと思っています。
 経済学にはあまり興味はありませんが、カール・ポランニーや「循環の経済学」の著者達の書物には関心があります。彼らの主張は理に適っているので信頼が置けます。
2013/11/18(Mon) 22:26 | URL  | 雑草Z #SAV8FvZY[ 編集]
経済の文明史
 買ったのは「経済の文明史」のみです。これも少し拾い読みをしたところで積んである状態です。
 本格的に読んだ本はありません。
2013/11/19(Tue) 22:05 | URL  | guyver1092 #-[ 編集]
Re:経済の文明史
guyver1092さんも「経済の文明史」を持っていらっしゃったのですね!?そして読んだ量も私と大差ないかと思います(笑)
「経済の文明史」は、「循環の経済学」の一部ともかなりオーバーラップしています。・・・「循環の経済学」の著者の参考文系なのですから当然ですね。・・・あまり読みやすい本とは言えないかも知れませんし、10篇の論文集で、当たり外れはあるやも知れませんが、単なる「経済学」の範疇を越えた名著であると思います。読み切りたいものです。
 ところで、これまで読まれた経済関係の書物の中で、guyver1092さんお薦めの本は何ですか?
2013/11/20(Wed) 23:07 | URL  | 雑草Z #SAV8FvZY[ 編集]
お薦め
 確かに読みづらいですね。買った以上はいつかは読みたいですが。
 これまで読んだ経済書の中(狭義の経済書)では部分的には参考に出来る部分はありますが、人に薦められるものはないですね(エントロピー派の物を除く)。
2013/11/24(Sun) 22:10 | URL  | guyver1092 #-[ 編集]
Re:お薦め
    guyver1092さん

 そうですか!?・・・やっぱり
>(狭義の経済書)
の中には、読む価値のあるものは殆ど無いようですね。・・反面教師として読む価値のある経済書はごまんとあるでしょうけれど・・(笑)
一昨日の土曜日、東京の大きな書店で経済書のコーナーを見てみたら、ポランニーの『大転換』がありました。ぺらぺらめくって見ましたが、かなりの大作です。一冊で、『文明崩壊』上下巻2冊分のボリュームのイメージです。・・・ちょっと買う気がしませんでした。・・・『経済の文明史』の内容とかなりオーバーラップするようですし、『経済の文明史』だけで足りるかも知れません。『経済の文明史』を読み終えてから検討しようと思います。

経済関係の書物からもっと広げて、政治・経済、文明論まで;社会科学系一般まで広げた場合・・・お薦めの書物は何ですか?
2013/11/25(Mon) 22:17 | URL  | 雑草Z #SAV8FvZY[ 編集]
一般まで
 鵜呑みにするのは危険かもしれませんが、「ヒューマン なぜヒトは人間になれたのか」は価値があると思いますし、「エンデの遺言」等、「シルビオ・ゲゼル入門」(これは経済書に近いものがあるかもしれません)、あと、まだ途中までしか読んでいませんが、室田武氏の「地域・並行通貨の経済学」が私の推薦書です。
2013/11/27(Wed) 21:02 | URL  | guyver1092 #-[ 編集]
    guyver1092さん

 ご回答有難う御座います。

>「ヒューマン なぜヒトは人間になれたのか」

は購入してみようと思います。

>「エンデの遺言」等、「シルビオ・ゲゼル入門」

も検討してみます。

室田武氏はかなり好きなので、これまた購入してみようと思います。かれはまだまだ多くの著書があるようです。

それから、『循環の経済学』を戴くきっかけとなった、著者の一人、多辺田 政弘氏もかなりお気に入りですので、彼の著書も欲しいと考えています。・・・あんまり買い過ぎると。『経済の文明史』のように買って何年も読み切れなくなって仕舞いますが・・・guyver1092 さんと共通の書物を読んで議論したいと考えております。宜しくお願い致します。
2013/11/27(Wed) 21:21 | URL  | 雑草Z #SAV8FvZY[ 編集]
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