小出裕章氏
原子力関係の東大教授等、肩書きだけが立派な御用学者達の権威は、3.11以降地に落ちました。彼らの話を信じる人は殆どいなくなりました。
最近、小出裕章さんの講演会の後の小人数での懇親会に参加させて頂く機会があり、彼の隣に座ってお話する機会がありました。著作物や、ネット映像から推し量られるお人柄そのものでした。物理学者と言うよりも、工学部出身の一流の技術屋さんである側面を感じるご意見も沢山聴く事が出来ました。
放射性物質は時間の関数のみで減少し、人間が技術で消す事が出来ないのは、『物理の原理として不可能』と考えるか、それとも「人間の技術で今は無理だが、いつか可能になる可能性はあると思うか・・」と言う問いに関しては、若干意外なお答えが返って来ました。
「昔不可能と言われていた錬金術は、現在は原子自体を変える事が出来るから、理論的には可能であるのと同様に、放射性物質も、自然崩壊を待たずに別な物質に変える事は理論的には可能です。しかしその分周りに放射性物質を生じるから、やる意味はない。このテーマは世界中の学者達が70年も取り組んで来ても出来なかったのだから、恐らく無理と考えられる・・。」
日本全国17か所の原発の放射性廃棄物などは、廃炉処理の後、結局その場に埋められる事になるのだと思うと持論に対するご意見を伺った言ったところ、小出さんもその通りだと思うと答えました。
他の方が、結局地下処分になった場合、それは安全だと考えるか…の質問に対しては、
「こんな不安定な日本の地下に埋めて、数万年に渡って安全な筈が無いでしょう。」と言うお答えが返って来ました。更にその質問者の「ではどうすればいいのですか?」の質問に対しては、
「私もどうしていいか分かりません。」と、映像通りのお答えになりました。・・やはりこれが理性的な方のお答えでしょう。だからこそ、原発派、開けてはならないパンドラの箱だったのでしょう。
そこに私が
「やはり内心、原発事故がこれ以上起こらなくても、放射性廃棄物の問題だけで、日本はもう終わりかも知れない・・と考えていますか」かと尋ねたところ、特に否定はされませんでした。
そう、放射性廃棄物の問題だけで解決策の無い非常に深刻な問題で、これだけでも、原発は絶対に稼働してはならないものだったのです・・。悪夢が現実となっているのです。
3.11以降、小出さんの動画は、ネット上で沢山視聴可能になっています。
3.11以前の推進派との議論の場面の映像もいくつも残っているようですが、そこでも小出さんの主張は非常にまともで、「理」があります。それに対して推進派はとんでもない「安全神話」等の空論で小出さんに反論したりしています。彼ら推進派の人々は、3.11以降どの面を下げているのでしょうか?
3.11以降の現在、推進派とまた議論の場をもうければ、推進派のサクラで会場を埋め尽くしでもしない限り(・・こう言う卑怯な事を推進派は、実際に続けて来た過去があります。)、圧倒的に小出さんが支持されるでしょう。今こそそういう機会を作るべきです。
最後に、最近メーリングリストで送られてきた、小出さん出演のパロディー映像です。
反原発運動で、○○レンジャーとか出て、おふざけする映像は好きではなかったのですが、この動画は、辛辣なブラック・ジョークを含みながらも、しっかり、原発の問題点と原発推進派のプロパガンダの嘘が網羅されていて、反原発プロパガンダ映像として結構良く出来ていると思います。小出裕章さんも演技と言うより結構自然体で、いつも通りの主張もしっかり聴く事が出来す。
何より、映像に出てくる、東電レッド、経産省ブルー、マスコミホワイトの三位一体のスイシンジャー絶対原子力戦隊の面々と、小出さんのやり取りの内容は、完全に小出さんが勝っているのですが、実際に東電や経産省などの推進派が小出さんと議論しても、内容的にはこの映像レベルの事しか言えないと思います。この期に及んでも原発を推進する連中は、どうしようもない連中ばかりです。
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