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2008-02-13 00:02
 前回は、世の中に蔓延っている軽率な環境問題軽視論の中から森林減少について言及させて戴きましたが、今回も前回に引き続き軽率な環境軽視論に反論させて戴きます。
今回は、食料生産に対する楽観論について、特に食料の中でも基本となる穀物生産に絞って論じさせて戴きます。


 穀物生産に対する楽観論は、世界の穀物生産はずっと増産されている事を根拠にしています。例えば1950年から2000年までの50年間で世界の穀物生産高は3倍以上に増加しています。その間の人口の増加は2倍を少し上回るほどです。人口増加率よりも食料増加率は上まわっているから、世界の飢餓はなくなるだろうという楽観論です。
 FAOは、もし全て耕作可能な土地を食料生産に使い、土壌浸食などもなく、天候も良好で、管理も万全な状態で耕作すれば、途上国の食料生産高を現在の16倍に出来るなどという報告も行っています。
 でもそれは極めて楽観的な理想的な状態の元でのお話です。そんなに簡単にはいきません。そんな事はほぼ無理でしょう。
 でも、それでもまだましなほうで、技術によって、土地の収穫率は無限に上げられるような事を述べている本なども存在し、売れてます。無限の収穫率なんて、疑いを持たないほうが変です。それだけで信頼出来る筈がありません。
 実際現在の食料は、全世界の人に適切に供給する事は理論上は可能です。しかし、それは、穀物を家畜のえさに回さず、かつ収穫から消費までの間に腐ったり害虫にやられて食えなくなる分がないとした場合です。
 実際には、収穫後に損失する穀物は10~40%もあり、食料の配分は公平というにはほど遠く、貧しい人々を飢えさせてまで肉を食べるための家畜のえさになるのです。当然、10kgの穀物を食べた家畜の肉は1kg分にしかなりません。
ここ20年ほどは、穀物増産率は、人口増加率も下回るようになってきました。つまり、人口一人当たりの穀物生産は1985年をピークに少しずつ減少しているのです。

 統計データに現れた表面的な事だけ読んでいては話になりません。

例えば、世界の作付け面積は15億ヘクタールで、ここ数十年ほとんど変わっていません。それに対して、地球上の耕作可能な面積は20~40億ヘクタールあるから耕地面積を増やして増産すれば大丈夫なんて楽観論が本やネットを駆け抜けるから始末に負えません。確かに食料増産分のほとんどは、農地の実質的な拡大ではなく、収穫率の向上によるものです。
 だからと言って、耕地が維持されているのではないのです。かつて生産力があった土地が、浸食や塩害、都市化、そして砂漠化によって失われて、それと同じくらいの新たな耕地が森林伐採などによって生み出されているのです。耕地に転換できる土地の面積は年々縮小しているのです。耕地の土壌の質の低下を補う為に化学肥料でドーピングして、収穫率を維持した上げたりしていますが、そんなものは問題の先送りでしかなく、問題をより深刻にするだけです。


 以上のような議論もしないで、表面的に統計データを捉えて、世界の穀物生産は増えていると楽観論を展開することは、軽卒というものでしょう。その軽さには、しっかりした洞察など微塵も感じられません。こんなレベルでよくもまあ環境問題を楽観視出来るものです。

 環境問題の本質を見極められない、すぐ流されてしまう土壌のような薄っぺらな似非楽観論を展開し、「環境危機を煽ってはいけない」などとのたまう輩は愚かで無責任です。
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【2008/02/13 00:02】 | 環境総論 トラックバック(0) |

お久しぶりです。
坂番
春休み、考える時間にしていきます。

理論上、地球で生産される食物で世界中の全ての人へ最低限の供給が可能という事ですが、現在それが出来ていないのは、それを実現する為のシステムが無いと言うことと、それを妨げるニーズがあるということかと考えます。
理論上は可能でも、結局世界はそんなことをする気はないのではないのでしょうか。
自分の身は自分で守らなければならないのだから当然と言えば当然か・・・

それを考えると、その理論は飽食という状態に“後ろめたい”と思う気持ちを払拭する為のバックグラウンドでしかないのではないかと思っていまいます。

ま、食料自給率39%の日本、高級和牛なんて食べてる場合なのかと思いますね。




春に、沢山考えてください。
雑草Z
     坂番 さん

お久しぶりです。・・100年振りくらいでしょうか?

>それを実現する為のシステムが無いと言うことと、それを妨げるニーズがある

は、その通りですね。

>結局世界はそんなことをする気はない

という事は、世界を牛耳っているいわゆる先進国の為政者達にその意思がないという事でしょう。ならば、人口を増やさない方向に行かなければかなり危険です。結局政治家のほとんどは、ほんの目先の事ばかりしか考えていないという事です。

 日本人は人ごとのように言ってますが、ここにも頻繁に書いているように、食糧危機はすぐそこまで着ているでしょう。日本の食料政策は本当に愚策です。
 自給自足はこれからの独立国家の基本でしょう。道路特定財源なんてやってる場合じゃないです。

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この記事へのコメント
お久しぶりです。
春休み、考える時間にしていきます。

理論上、地球で生産される食物で世界中の全ての人へ最低限の供給が可能という事ですが、現在それが出来ていないのは、それを実現する為のシステムが無いと言うことと、それを妨げるニーズがあるということかと考えます。
理論上は可能でも、結局世界はそんなことをする気はないのではないのでしょうか。
自分の身は自分で守らなければならないのだから当然と言えば当然か・・・

それを考えると、その理論は飽食という状態に“後ろめたい”と思う気持ちを払拭する為のバックグラウンドでしかないのではないかと思っていまいます。

ま、食料自給率39%の日本、高級和牛なんて食べてる場合なのかと思いますね。


2008/02/14(Thu) 02:49 | URL  | 坂番 #-[ 編集]
春に、沢山考えてください。
     坂番 さん

お久しぶりです。・・100年振りくらいでしょうか?

>それを実現する為のシステムが無いと言うことと、それを妨げるニーズがある

は、その通りですね。

>結局世界はそんなことをする気はない

という事は、世界を牛耳っているいわゆる先進国の為政者達にその意思がないという事でしょう。ならば、人口を増やさない方向に行かなければかなり危険です。結局政治家のほとんどは、ほんの目先の事ばかりしか考えていないという事です。

 日本人は人ごとのように言ってますが、ここにも頻繁に書いているように、食糧危機はすぐそこまで着ているでしょう。日本の食料政策は本当に愚策です。
 自給自足はこれからの独立国家の基本でしょう。道路特定財源なんてやってる場合じゃないです。
2008/02/14(Thu) 21:34 | URL  | 雑草Z #SAV8FvZY[ 編集]
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