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2010-07-05 00:01
人類は、自給経済、交換経済、貨幣経済と次第に複雑な経済システムを作り出してきました。そして最後の貨幣経済も次第に進歩しています。最初は価値のある物質自体を貨幣として利用していました(金属、貝殻、加工した石等)が、物質の代わりに紙で物質を表す兌換紙幣制度になり、そして現在は物質から切り離された管理通貨制度が利用されています。
わたしは、貨幣経済は富(資源)を蓄積するという点で、社会と人間の思考を、根本的に変化させたと考えます。
貨幣経済は、交換のための道具として貨幣を作り出しましたが、これはそれまで資源を直接利用または交換していたものをいわば数値に変換する非常に画期的な道具でした。この道具により、人類はそれまで資源を直接支配していたものから、間接的に支配することが可能になり、それまでの限界をはるかに超えた量の資源を蓄積することが可能となりました。食料資源を支配することは生物としては当然の欲望です。また、道具についても支配しようという欲望を持って当然です(すぐれた道具は生存に有利)。貨幣経済はこれらの生存に必要な物質を、貨幣という数値に変換する、別の言い方をすると、欲望を貨幣という数値に変換することにより、本能から来る欲望を、理性による欲望に変換させたと言えるでしょう。
 もっとも、一口に貨幣経済といっても進歩の段階により分けて考えたほうがよいでしょう。金本位制のような兌換紙幣の時代は、基本は国家の保有する金の総量以上の貨幣は発行できない建前だったようで、この点から金本位制は経済成長を阻害する要素を持っていたようです。そして経済成長を阻害しない管理通貨制度が採用されたようです。この当時はすでに資本主義の時代で、言い換えれば、資本主義の要求により金本位制を終わらせたということです。
資本主義は「資本家が、大きな資産と広い土地を元に企業を起こし、大量の労働者を働かせて、利益を得るべきという経済思想」とも定義されますが、より早く、より大きく成長することが求められています。資本主義は拡大再生産することがシステムに組み込まれていますが、成長する中で利益を求め続ければ欲望は永久に満たされないことになります。資本主義は欲望を満たせない、言い換えれば欲望を増幅するシステムといえるでしょう。
 そして現在、世界恐慌時に課せられた制限を叩きつぶし、物質の束縛から解き放たれた貨幣経済上で活動する資本主義は世界の王者です。自然環境を吸いつくし、労働者の労働力を買いたたき、本来公共サービスとすべきものを商品として売り付け、時には、自分自身の一部である実体経済を押しつぶしています。本来貨幣も資本主義も人間の作り出した道具であるはずなのに、資本主義の目的のために人間を支配しています。「暴走する文明」で「道具の反逆」が紹介されていましたが、道具の反逆はすでに人間の気がつかないうちに終わっていて人間を奴隷にしていると言えるでしょう。
 人間が道具の主人となるためには、道具に制限をかける、資本主義には、世界恐慌時にかけられた制限をかけるべきですし、貨幣も物質に結びつけるべきでしょう。

以上、ここのサイトに個性的で的確なコメントを下さっている guyver1092 さんに書いて頂いた記事です。前回 【ろうそくの燃え尽きる寸前】に続いて頂いたコメントの内容を膨らませて記事にして頂きました。
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【2010/07/05 00:01】 | Economic Fascism トラックバック(0) |

マネーの支配
上々
金融の経済支配が極めて強くなり、さらにちょうど情報革命も進んだためにさらに支配力を強めていますが、前回の話題で行けばこのような状態が永遠に続くのか、ですね。
もちろんそんなわけはなく、いつかは(そのうちに、しばらくすると、もうすぐ)終焉するはずです。

物が余っているデフレ状態だからこそ金融の支配力が増すのであって、足りなくなればいくらマネーを押さえていても物資を持てなければどうしようもありません。
物資を押さえて動かしてということになると、いくらコンピュータを操り世界を支配したつもりになってもあちこちでほころびがでます。
今の経済では在庫を抱えるのが罪悪のように言われていますが、物を持っていなければどうにもならなくなるのかもしれません。

そんなわけで、石油や金属資源の欠乏が表面化し、価格高騰が始まった時点でマネー支配の弊害は消えるのかもしれません。別に世界が安定化するわけでもなく、人々が幸せになるわけでもないのですが。

資源の欠乏の表面化
guyver1092
 一番最初に表面化するのは何でしょうね。
 もしそれが石油ならば、未来の予想は案外簡単かもしれません。あのまま、すべてが値上がりを続けて、経済システムが破たんするでしょうね。(前回はまだ本当に欠乏が表面化していたわけではないので景気の冷え込みにより、原油がだぶつき暴騰は終了したようですが。)
 おっしゃるように世界は安定化もしないでしょうし、人々が幸せになるわけでもないでしょうが。

欠乏は?hatena
上々
資源が実際に欠乏するというのはそれほど目立たないかもしれません。
欠乏しそうというところで価格が急騰し使いたくても使えなくなりますから。
貴金属など(もちろん装飾用ではなく工業使用ですが)は何とか代替品の開発で多少性能は落ちてもやっていくかもしれません。

石油はとにかく代替がありませんので、これの価格急騰は直撃を受けます。ただし、それで途上国はもうやめたという態度に転じる可能性がありますので、また値上がりが一服する可能性が強いと考えられます。
結局先進国すべてが経済成長(というか経済運営、これが同義語であることが問題)をあきらめる程度まで達するには時間がかかるかもしれません。

王様と小作人
団塊おやじの遺言
大まかに見ると昔から王様と貴族に支配されていた私たち

例えば一つの例です・・CMに乗せられた歯磨き剤!
私は20年位前から歯茎が弱く・・
1500円位のを使用して来ました

   何も良く成りません !!

それで私の愛用の天然粉を1年前より使用しています
ヘビースモカーの私 ヤニは取れ歯茎が何か確りと・・
今迄よりはず~っと好いんですね~ しかも安い~
身近な誰にでも判る行為です 薬では有りません

今の社会は何か 変な当たり前 に支配されています
雑草さんの言う物事の本質に目覚める時が来ているのかも

支配から逃れたと考えていたのが 何時のまにか支配されている
情報(CM)とはそれらを正しく理解出来ないと支配されるモノだ!!!
 

Re:欠乏は?hatena
guyver1092
 以前の上々さんのコメントにありました途上国の農業も化学肥料が席巻しているとの話からすると、もうやめたということになれば、途上国の農業がかなりひどいことになりそうですね。そうなると途上国の市場がなくなるということを覚悟しなければならないと思います。
 当然、経済の市場が強制的に縮小されることを意味すると考えられますので、経済の後退は避けられず、この時点で世界中が経済成長をあきらめなければならなくなるかもしれませんね。
 経済学者はこの点をどう考えているのでしょうか? まったくこのようなことは起きるはずがないなどとの研究結果でもあるのでしょうか? この類の心配をマスコミ等で見た記憶がないものですから。

支配者
guyver1092
 支配の仕組みはとても複雑かつ巧妙で、なかなか理解するのも難しいですね。
 以前、ひげそりに関してインターネットで調べたところ、盛んに宣伝されているひげそりクリームの成分は、体に良くないものばかりという記事を見たことがあります。マスコミは確実に支配者の嘘を広める道具になり下がっていますね。
 おっしゃるように自分で試して正しい答えを見つけることが肝心ですね。

経済学?
上々
どうも?マークばかりになってしまいますね。
詳しくは知りませんが、経済学をイメージだけで見ると現状を分析し近い将来の予測をするだけの、そして外れるだけの学問のような気もします。
どういう条件でこうなったか、そして仮にその条件が違っていればどうなったかと言う考察をすることはないのでしょうか。
それができればもし石油が無かったら、もし石油が無くなったらと言う仮定からの考察もできるだろうし、それが政策にもつながるんですが。

なお、途上国の化学肥料依存はあくまでも商品作物の栽培と収穫に伴うものであり、自分たちで作って自分たちが食べるだけならさほど必要なものではありません。
大量の作物を作っては日本などに売ってしまえば土壌中の栄養分がどんどん無くなるためで、食べる分だけ作る(そして排泄物を土壌に返す)と言うことをしていればかなり長く栽培していけます。(ロスは出るので永久ではありません)

Re:経済学?
guyver1092
>外れるだけの学問のような気もします。

ニューディール政策の時代は別として、ここ2~30年はその通りですね。日本に限って言えば、経済学者の言うことを聞いて自滅ばかりし続けている気がしますね。民主党は事業仕分けをしていますが、採用する経済学を仕分けすればもっとマシなことができるかもしれませんね。

途上国の農業が商品作物生産から下りれば、少なくとも途上国相手に肥料とか肥料原料とかで商売している企業は影響を受けるということですね。

Re:経済学?
雑草Z
>経済学をイメージだけで見ると現状を分析し近い将来の予測をするだけの、そして外れるだけの学問のような気もします。

全くその通りですね。私も経済学は鼻から信用していませんし、その事をここの記事でも何度か言及しています。ノーベル賞を貰った経済学者(大半はアメリカ人)でも、難しそうな専門用語を使うだけの単なる御用学者の感じで、非常に限定的な物の見方に洗脳されているように見えます。


 上々さんの、
「経済成長と経済運営が同義語であることが問題」
と言う御指摘が非常に興味深く面白いなと思いました。是非、補足説明を・・。

お金にふりまわされる…
でなしNo.146
>道具の反逆はすでに人間の気がつかないうちに終わっていて人間を奴隷にしている

お金の問題で自ら命を絶つ人が多い事も、人間がお金に支配されている象徴的な事例かもしれません。

もうすでに実体経済の数倍(数十倍?)の規模に膨れ上がった貨幣経済をガス抜きするには、やはりguyver1092さんが言われたように、制限や規制をかけて縮ませていくしかないと思いました。

そして、人間一人一人が「お金の奴隷」にならないように(奴隷から脱出できるように?)自覚して生きていくことが、遅効性ではありますが持続可能な世の中へ導いていくのだと考えます。

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