開発と環境のバランス
それ以来、20世紀の後半までは、開発は常に環境に優先していました。・・・いや、実際は、昔から開発に反対する人々は沢山いた筈で、抵抗も多々あったでしょう。・・・それを武力や財力で駆逐しながら、‘有力者’と呼ばれる開発に取りつかれた人々は、開発を推し進めてきました。
21世紀も近くなって、多くの人が開発に「待った」をかけて、開発が中止になるケースもぼちぼち出てきました。道路、ダム、港湾建設・・・・沢山の例が出てきました。しかしそれはまだまだパーセンテージからすればかなり低いほうでしょう。大きな流れとしては、21世紀の初頭の現在はいまだに『開発優先』です。特に『開発途上国』と呼ばれる国々では、開発ラッシュが続いており、『開発優先』という言葉が国家のスローガンとして挙げられ、高度成長時代の日本のように、反対しにくい雰囲気も醸し出しています。
さて、『開発と環境のバランス』という事について考えてみます。環境問題がクローズアップされてきた現在は、『環境』のウエイトが大きく考えられて来ている事は間違いないでしょう。・・・しかし、私に言わせれば、まだまだ全く『開発優先』です。・・・というよりも、敢えて言わせて戴きますが、現在、『開発と環境のバランス』などと悠長な事を言っている場合ではないでしょう。
「環境第一、開発はすべて中止」・・・こう言えば、それは偏り過ぎだ・・・という人が大多数かも知れません。・・・でもそうでしょうか?・・・エコロジカル・フットプリントは持続可能な限界を超えて久しくなります。・・・限界を超えたのは1980年代と言われ、現在は限界の20パーセント以上上回っていると言われています。・・私はこの数字も甘いと考えていますが・・・定量的なお話は置いといても・・・エコロジカル・フットプリントが限界を超えているという事は、厳然とした事実で、現在の環境負荷の状態で、開発が一切されなくとも、地球環境は限界を超えて、破滅に向かっていると言う事です。【20世紀最悪の出来事】つまり、現在は非常事態と言う事です。
石油などのドーピングにより、現在の人口や消費レベルが維持されていますが・・・ドーピングの反動は酷いものです。・・・ドーピングで維持されればされるほど崩壊時の破局の衝撃が増すばかりです。
私自身未来を予言する水晶玉を持っている筈もありませんから、いつから、どこから崩壊が始まる・・・とかは断言できませんが、それは遅くとも今世紀中に世界中至る所で起でしょう。・・・もう限界の兆しはあちらこちらに現れ始めて、地球の至る所が軋み始めています。正直、崩壊はもはや免れないと思っています。・・・このブログの目的は、開発とか経済成長とかいう現代の愚かなファシズムから早く目を覚まして、出来るだけ崩壊の衝撃を小さく抑えよう・・・と言う呼びかけ・・・と位置づけ出来るかも知れません。
先ず何よりも環境を優先して、森林や海や河川の自然を取り戻して、エコロジカル・フットプリントを持続可能なレベル以下に下げるべきでしょう。
私は、『開発』と言う言葉事態ポジティブな意味合いを感じ取れません。物質的にほぼ閉鎖系で有限な地球にとって。『開発』と『破壊』は同義語ではないでしょうか?!つまり、地球上の使用可能なエネルギー、資源のストックは一定量ですから、『開発』は地球の資源の『浪費』であるのです。・・・勿論、消費時の効率性は考慮されるべきですが、現在の社会のシステムは資源とエネルギーの『浪費』を生んでいることに間違いはないでしょう。・・・・このあたりは別な機会にエントロピーの概念から説明いたします。
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