雑草の言葉

開発と環境のバランス

2008/10/01
Economic Fascism 8
 人類(実際には人類の一部)が『開発』という概念に取りつかれたのはいつ頃からでしょうか?・・・産業革命以降の2、300年前からでしょうか?もっと古くの有史以来でしょうか?人類が人間らしくなった数万年前からとも考えられるでしょう。
 それ以来、20世紀の後半までは、開発は常に環境に優先していました。・・・いや、実際は、昔から開発に反対する人々は沢山いた筈で、抵抗も多々あったでしょう。・・・それを武力や財力で駆逐しながら、‘有力者’と呼ばれる開発に取りつかれた人々は、開発を推し進めてきました。
 21世紀も近くなって、多くの人が開発に「待った」をかけて、開発が中止になるケースもぼちぼち出てきました。道路、ダム、港湾建設・・・・沢山の例が出てきました。しかしそれはまだまだパーセンテージからすればかなり低いほうでしょう。大きな流れとしては、21世紀の初頭の現在はいまだに『開発優先』です。特に『開発途上国』と呼ばれる国々では、開発ラッシュが続いており、『開発優先』という言葉が国家のスローガンとして挙げられ、高度成長時代の日本のように、反対しにくい雰囲気も醸し出しています。

 さて、『開発と環境のバランス』という事について考えてみます。環境問題がクローズアップされてきた現在は、『環境』のウエイトが大きく考えられて来ている事は間違いないでしょう。・・・しかし、私に言わせれば、まだまだ全く『開発優先』です。・・・というよりも、敢えて言わせて戴きますが、現在、『開発と環境のバランス』などと悠長な事を言っている場合ではないでしょう。
「環境第一、開発はすべて中止」・・・こう言えば、それは偏り過ぎだ・・・という人が大多数かも知れません。・・・でもそうでしょうか?・・・エコロジカル・フットプリントは持続可能な限界を超えて久しくなります。・・・限界を超えたのは1980年代と言われ、現在は限界の20パーセント以上上回っていると言われています。・・私はこの数字も甘いと考えていますが・・・定量的なお話は置いといても・・・エコロジカル・フットプリントが限界を超えているという事は、厳然とした事実で、現在の環境負荷の状態で、開発が一切されなくとも、地球環境は限界を超えて、破滅に向かっていると言う事です。【20世紀最悪の出来事】つまり、現在は非常事態と言う事です。
 石油などのドーピングにより、現在の人口や消費レベルが維持されていますが・・・ドーピングの反動は酷いものです。・・・ドーピングで維持されればされるほど崩壊時の破局の衝撃が増すばかりです。
 私自身未来を予言する水晶玉を持っている筈もありませんから、いつから、どこから崩壊が始まる・・・とかは断言できませんが、それは遅くとも今世紀中に世界中至る所で起でしょう。・・・もう限界の兆しはあちらこちらに現れ始めて、地球の至る所が軋み始めています。正直、崩壊はもはや免れないと思っています。・・・このブログの目的は、開発とか経済成長とかいう現代の愚かなファシズムから早く目を覚まして、出来るだけ崩壊の衝撃を小さく抑えよう・・・と言う呼びかけ・・・と位置づけ出来るかも知れません。

 先ず何よりも環境を優先して、森林や海や河川の自然を取り戻して、エコロジカル・フットプリントを持続可能なレベル以下に下げるべきでしょう。

私は、『開発』と言う言葉事態ポジティブな意味合いを感じ取れません。物質的にほぼ閉鎖系で有限な地球にとって。『開発』と『破壊』は同義語ではないでしょうか?!つまり、地球上の使用可能なエネルギー、資源のストックは一定量ですから、『開発』は地球の資源の『浪費』であるのです。・・・勿論、消費時の効率性は考慮されるべきですが、現在の社会のシステムは資源とエネルギーの『浪費』を生んでいることに間違いはないでしょう。・・・・このあたりは別な機会にエントロピーの概念から説明いたします。
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Comments 8

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団塊おやじの遺言

鮭は戻って・・

私の故郷の近くにオホーック海があります この季節に約束された様に鮭が戻って来てくれます 海が荒れるとホタテ貝やホッキ貝が浜辺に打ち上げられる この貝は早起きをすれば誰でも取る事が可能です 野山にも様々なキノコ達が顔を出し食卓を賑せ 自然こそ無料のスーパーマーケットです 今社会経済は言わずもがなの状態・・こんなものに踊らされて自滅する人がいる 私たち人間と言う 生き物 に何が大切なのか思い知らされる 小さな子供たちには恥かしくて見せられない時代を造ってしまったのかな~

2008/10/03 (Fri) 10:07

雑草Z

>自然こそ無料のスーパーマーケット

     団塊おやじの遺言さん

 私は山国育ちです。子供の頃海岸に行くと、生態系の豊富さに驚いたものです。人間が近づくと岩場の蟹やフナ虫が色んなところから現われて一斉に逃げました。ウミウシやヒトデ、イソギンチャクもいたるところにいました。
・・・それが最近海に行って唖然としました。・・いたるところコンクリートで固めて盛り土をして、堤防が連なっています。海の中や海岸には過分なテトラポット・・・
 これが開発のなれの果てでしょうか?
団塊おやじの遺言さまの故郷では、今でもホタテ貝やホッキ貝が浜辺に打ち上げられるのですか?・・鮭もまだ沢山くるのでしょうか?・・・そうならば、それをいつまでも守りたいですね。一端破壊されたら復活は難しいですからね。

>小さな子供たちには恥かしくて見せられない時代を造ってしまったのかな~

 そうですね・・・恥ずかしいだけではなく子供たちの生存にかかわる取り返しがつかない事をしてしまってるのかも知れません。
 これ以上の開発は一切必要ないですね。


 

2008/10/03 (Fri) 21:34

団塊おやじの遺言

鮭は戻ってこない・・

先日 久々に故郷へ 素晴らしい紅葉 輝く空気
しかし今年は鮭が帰って来ない 半減以下の様です何十年も前から孵化場が作られ 安定した鮭の回帰が続いていたのですが今年は孵化場でも鮭の確保が難しい状態だそうです
地球上の人口は増加 自然の恵みは半減 大地や空や海を汚し自然の恵みを地の果て迄  追い求める人の行為・・
アイヌの人が語った 昔は川に木の枝を投げ入れても枝は川下へ流がされない位 鮭が上って来た・・自然の恵みが有ってこその 私たちの営みでしよう
食料の奪い合いは目に見えて来ている 今の社会 何を優先しなければならないのか 判らん人間が多すぎる・・ 

2008/10/22 (Wed) 18:24

雑草Z

う~ん、悲しいですね。

    団塊おやじの遺言さん

>今年は孵化場でも鮭の確保が難しい状態だそうです

 今年だけの特別事情で来年からまた戻ってくるといいのですが・・・

>今の社会 何を優先しなければならないのか 判らん人間が多すぎる・

 全くその通りです。株価の暴落に政府が介入・・・なんて事をやってる場合じゃないですね。一部の強欲な資産家が世界を動かしているから困るんですね。

 アイヌの人たちの自然の摂理に対する感覚を見習うべきですね。

 いつもコメント有難う御座います。

2008/10/23 (Thu) 02:22

地下水

育苗

 こんにちは。
 森林、サンゴ礁、氷河、地下水、棚氷、生物種、漁獲量、一人当たりの耕地面積などが減少しています。
 食料危機、石油枯渇、砂漠の拡大、海浜の大都市圏の水没なども、ほぼ回避不可能の様です。
 このような世界を覚悟して、私達は生きてゆく事になるのでしょう。(^^;;
 びわ、みかん、ポンカン、ツブラジイ、スダジイなどの育苗をはじめました。大きくなるかなぁ。

2008/10/25 (Sat) 20:18

雑草Z

    地下水さん

 このままでは、そのような世界になると言う合意が得られれば、もっと積極的な対策出来るんでしょうけど、多くの人間は日々の生活を優先して経済成長を歓迎するから、先ずはそこから改革でしょう。

>びわ、みかん、ポンカン、ツブラジイ、スダジイなど

大きく育てばいいですね。


地下水さんは初訪問ですね?  何故に地下水と言うHNを?
  

2008/10/25 (Sat) 21:41

地下水

環境

 オーソドックスに、レスター・ブラウン博士の、水の世紀から来ています。図書館に頼んで買って頂きました。ガソリンとポンプで地下水を汲み上げたために枯渇の危険が迫っているのですね。氷河が減って、地下水が減る所もでてきました。日本のお医者さんが、井戸を掘って砂漠の人を助けている活動もありましたね。
 地下水の塩分濃度が増したら、米国内部や中国北部、豪州で揚水農業が駄目になって国力が落ち、日本への食糧輸出も
無くなって大変な事になり始めるのが、2025年頃でしょうか。
 話は変わりますが、2007年だけで110億本も木が切られているのに、植林されたのは1割に止まるのでしたね。これが一番深刻で、現代の農業生産は森林伐採による一時的なバブルに過ぎないと厳しく考えて置いた方が正しい様ですね。
 プラスチックの破片や粉体による海洋汚染も広範囲で対策が大変ですね。お魚が食べたら嫌ですよね。この様に、森林や海洋の問題は、さらに大きいのですが、石油枯渇より早く地下水が危機を起こしそうなので、最初のマイルストーンとして、HNを地下水にしておきました。
 クラスター爆弾の不発弾や対人地雷も酷いので、米国などの悪魔の様に残虐な行為に対して、地下にもぐって反対する意味も込めて置きました。
 気楽なたちなので、またHNを変えるかもしれませんが、もっとふさわしい人がHNをついで下さるかも知れません。
 

2008/12/05 (Fri) 19:59

雑草Z

色々な意味が込められていますね。

    地下水さん

 忘れた頃にご返事有難う御座います。一か月以上経ってからのご返事ですね。
 地下水の汲みすぎは色々な問題を引き起こしていますね。
化石水までかなり汲み上げて枯渇に向かっていますからね。

>現代の農業生産は森林伐採による一時的なバブルに過ぎないと厳しく考えて置いた方が正しい様ですね。

 そうですね。森林伐採だけでなく、化学肥料と農薬と言うドーピングによる部分も大きく、そのドーピングは近い将来必ず切れるものですから大変ですね。

 その他、おっしゃるような様々な環境問題が一挙に噴き出して来て、今世紀は大混乱が起こるでしょうね。それに比べて現在の金融危機なんて大した事ではないと思います。

 またのご訪問歓迎致します。

2008/12/06 (Sat) 12:05
☘雑草Z☘
Admin: ☘雑草Z☘
無理に経済成長させようとするから無理に沢山働かなければなりません。あくせく働いて不要なものを生産して破局に向かっているのです。不要な経済や生産を縮小して、少ない労働時間で質素にゆったり暮らしましょうよ!「経済成長」はその定義からも明らかなように実態は「経済膨張」。20世紀に巨大化したカルト。
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